落語の神様、古今亭志ん生のご真影が見られる貴重な作品、それだけでも落語ファンならば星5つである。松竹に出演していた子役時代のひばりの映画は(これは同時代の唯一の大映作品だが)、どれも大好きであるが、本作は性格が反対の双子の姉妹が、しかも入れ替わって相手のふりをする(原作は「二人のロッテ」)という演技なので、さすがの名子役のひばりでも難しかったようだ。それでも、ひばりに偏見のない人ならば、とても楽しく見られる作品である。
ひばりが国民的歌手であるというのは、我々のような遅れて来た世代にとっては、子役時代の映画をいくつか見て、初めて実感できるのではないだろうか。